Oracle BPM 11g ロードマップ
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上記エントリからの流れで、OracleのBPM製品の近況を。
さて、Oracle BPM関連製品は、大きくOracle SOA Suite/Oracle BPEL Process Manager (BPEL PM)、Oracle BPA Suite、Oracle BPMがあります。
BPEL PMは、BPELの実行環境と開発環境 (JDeveloper) を提供します。付加機能として、各種アダプタによる接続性、ヒューマン ワークフロー、ルール エンジン (Oracle Business Rules) 連携などもあります。
今年リリースされたSOA Suite 11g R1では、SCA (Service Component Architecture) がサポートされています。JDeveloperでは、1つのSCAコンポジットの中で、複数のSCAコンポーネント (BPELプロセス、ヒューマン ワークフロー、ビジネス ルールなど)をビジュアルに関連付けて開発していきますし、サーバへのデプロイや運用管理もSCAコンポジット単位で行われます。
BPA Suiteは、IDS ScheerのARISをOEMし、SOA Suite/BPEL PM連携機能を強化したものです。こちらも最新リリースは11g R1。BPA SuiteでモデリングしたBPMNをBPELに変換し、JDeveloperでBPELの技術的詳細を実装していきます。BPMNとBPELの双方向同期が取れる点がメリットですが、BPELに変換可能なBPMNをうまくモデリングする必要がある点が難しいところではあります。
一方、Oracle BPMの最新リリース 10g R3は、基本的にはBEA AquaLogic BPM Suite (旧 Fuego製品) です。Eclipseで動くBPMモデリング ツールとBPMサーバからなります。
そして、2010年にリリースが予定されているOracle BPM 11gは、Oracle BPM 10g R3のコンセプトは受け継ぎながらも、技術的にはOracle SOA Suite 11g R1ベースで完全に再構築されたリリースになります。
関連する重要な仕様としてBPMN 2.0があります。BPMN 1.xはビジネス プロセスのモデリング表記を定義しているだけでしたが、IOS陣営 (IBM/Oracle/SAP) が中心になって策定を進めているBPMN 2.0では、ビジネス プロセス実行言語としての側面も追加されました。
Oracle BPM 11gは、BPMN 2.0の実行環境と開発環境を提供します。SOA Suite 11g R1のBPEL実行環境、ヒューマン ワークフロー実行環境と並んで、BPMN 2.0をネイティブに実行する環境が追加されるわけです。
開発環境としては、JDeveloper上で動くBPM Studioが提供され、BPMN 2.0のモデリングが可能になります。BPMN 2.0プロセスもSCAコンポーネントの1つなので、SCAコンポジットの中でBPELプロセス、ビジネス ルール、ワークフロー、アダプタと容易に連携可能です。また、ビジネス ユーザのプロセス参照/編集のために、WebベースのBPM Process Composerも提供されます。
つまり、製品名こそOracle SOA Suite/Oracle BPMと分かれていますが、11gでは実行環境も開発環境も完全に統合されたものになっていきます。使い分けとしては、人間中心のBPM/ワークフローにはOracle BPM 11g (+ ヒューマン ワークフロー機能)、システム中心のオーケストレーションにはBPEL PM、BPMNモデリング以外の各種モデリングも必要ならBPA Suiteを追加、といった考え方がいいでしょう。
Oracle BPM 11gの最新情報は、まだOTNの製品ページには出ていません。が、今年10月に開催されたOracle OpenWorldでOracle BPM 11gのセッションやハンズオンが行われており、関連するセッション資料やブログ エントリが出てきています。
メインの情報源としては、Oracle BPMの製品マネージャ チームが書いているOracle BPM Blogをオススメします。
岩田さんによる詳しい分析は、こちらから。