SOAは死んだのか?

先週、海外のSOAコミュニティの話題を独占していたのは、リサーチ会社 Burton GroupのAnne Thomas Manesによるブログ エントリ「SOA is Dead; Long Live Services」(SOAは死んだ。サービス万歳) でした。

1/9のエントリ (上記2番目のリンク) の冒頭で本人も書いているように、1/5の「SOA is Dead」のエントリは注目を集めるための「釣り」だったわけですが、それでも、不況真っ只中のこのタイミングに「SOAとは何か?」について再考するいいネタフリになりましたね。

いろいろ誤解も生んだようですが、他のソースも総合すると、本人の意図は、ビジネスピープルに売り込む3文字略語のバズワードとしての「SOA」は「死んだ」が、アーキテクチャとしてのサービス指向アーキテクチャは、SaaS/クラウドが広がる今後、ますます必要になるだろう、ということだと思います。この意見には、基本的に同意です。

その名に「SOA」を含む製品を担当している身としては悩ましいところではありますが、バズワードが拡大解釈されて消費され落胆に至るハイプ カーブは、IT業界ではよくある話ではあるので、特に驚くことではありません。クラウドあたりも、今後同じ道を辿らないといいんですが。

1/9のエントリ (上記2番目のリンク) でまとめられているように、釣られた人がタイトルだけ見て、下記のような誤解が多いようです (「と言っているわけではない」の前までが誤解)。

  • SOAインフラをちゃんと整備する「Big SOA」が死に、インクリメンタルなインテグレーションを進める「Little SOA」が生き残る、と言っているわけではない
  • (WS-*の代替としての) RESTがすべてを解決する、と言っているわけではない
  • SOAを捨てて、モノリシック (一枚岩) のアプリ設計に戻るべき、と言っているわけではない
  • SOA」は悪い言葉だがSOAを行うことは良いことなので、「SOA」に代わる新語が必要だ、と言っているわけではない (前半は正しい)

関連リンクもいろいろあるので、いくつか残しておきます。

ちなみに完全に余談ですが、「SOA is Dead; Long Live Services」(SOAは死んだ。サービス万歳) は、「The King is dead. Long live the King!」が元ネタです。

The king is dead! Long live the King! (古い) 王は死んだ! (新) 王万歳!

これは、王の崩御を告げる言葉と、王に長寿あれという言葉を続けて言うことにより、王の空位を避ける(王統の連続性を確認する)ための法諺である。もとはフランス語の"Le roi est mort!, Vive le roi!" からきている。